超加工食品とは
超加工食品は、食品から抽出された物質やそれをもとに作られた物質を主な原料とし、これに添加物を組み合わせて作られる工業製品である12。
NOVA分類は、食品を栄養素の含有量ではなく加工に基づいて4つの群に分ける3。第4群には、家庭の台所ではまったく、またはまれにしか使われない物質や、製品をおいしくしたり、より魅力的にしたりするための添加物を含む製品が分類される1。米国の全国調査では、エネルギー摂取量の57.5%が超加工食品に由来していた4。
体内で起こること
米国国立衛生研究所(NIH)で入院下に行われた試験では、参加者は超加工食品主体の食事を、未加工食品主体の食事よりも速く食べた3。摂食速度は17 ± 1 kcal/min速かった3。飲料を除いたエネルギー密度は、超加工食品主体の食事で1.957 kcal/g、未加工食品主体の食事で1.057 kcal/gであった3。
結腸の細菌は、消化されずに届いた多糖類を発酵して酪酸を生成する5。酪酸は結腸上皮細胞の主要なエネルギー源である5。
- 複数の反応段階消化を免れたデンプン、キシランなどの多糖類。ピルビン酸を経由する
- チオラーゼ(Thl)アセチルCoA2分子のアセチルCoAを縮合し、CoAを放出する
- β-ヒドロキシブチリルCoA脱水素酵素(Hbd)
- クロトナーゼ(Cro)
- ブチリルCoA脱水素酵素・電子伝達フラビン蛋白質複合体(Bcd-Etfαβ)フェレドキシン4つの酪酸合成経路すべてに共通する段階。エネルギー保存が推定されている
- ブチリルCoA:酢酸CoAトランスフェラーゼ(But)酢酸 → アセチルCoA代替経路:リン酸ブチリルトランスフェラーゼ(Ptb)と酪酸キナーゼ(Buk)
同じ米国の調査では、超加工食品がエネルギー摂取量に占める割合によって参加者を五分位群に分けると、食物繊維の摂取量は1000 kcalあたり、割合の最も低い群の9.6 gから最も高い群の6.7 gへと減少していた4。
研究が示すこと
独立研究に分類され、参加者に食事を提供して行われた2件の試験では、成人の体重は、加工度の低い食事よりも超加工食品主体の食事で増加したか、減少幅が小さかった36。
NIHの試験では、成人20人が2種類の食事をそれぞれ14日間ずつ自由摂取した3。食事は、提供エネルギー量、主要栄養素、糖類、ナトリウム、食物繊維をそろえて設計された3。エネルギー摂取量は、超加工食品主体の食事で508 ± 106 kcal/day多かった3。体重の変化は、超加工食品主体の食事で+0.9 ± 0.3 kg、未加工食品主体の食事で−0.9 ± 0.3 kgであった3。
UPDATE試験では、成人55人に2種類の食事をそれぞれ8週間ずつ提供した6。どちらの食事も、英国の食事ガイドであるイートウェル・ガイド(Eatwell Guide)に沿っていた6。体重の変化は、加工が最小限の食品を主体とする食事で−2.06%、超加工食品主体の食事で−1.05%であった6。その差は−1.01パーセントポイント、体重にして−0.96 kgであった6。
アンブレラレビューでは、観察研究のデータを統合した45件の解析が検討された2。エビデンスが「確実」と判定された関連には、心血管疾患による死亡との関連(リスク比1.50)と、2型糖尿病との関連(摂取量の10%増加あたり1.12)が含まれていた2。GRADEによる評価では、エビデンスの質は4件の解析で「中」、22件で「低」、19件で「非常に低」であった2。
米国のコホート研究では、医療従事者114,064人が追跡され、追跡期間の中央値は31~34年であった7。全死因死亡率は、摂取量の最高四分位群で10万人年あたり1536人、最低四分位群で1472人であった7。その差は10万人年あたり64人であった(ハザード比1.04、95%信頼区間1.01~1.07)7。